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2008年10月16日 (木)

医者の不養生

10月11日(土)にテニス大会があって
当院テニス部が総合優勝した、と聞きました。
(前回ブログ記事のコメント欄参照)
よくやった!Good Job!!
 
ということで書きたくなったのは医者の不養生の話です。
(な...なんの脈絡が?(笑))
 
 
私、去年たぶん300〜400件の手術を執刀したと思うんですが
その手術のうち2件、患者(オペ患)が医師でした。
 
一件は某開業医の肩鎖関節脱臼。
 
早朝、犬の散歩でコケて朝イチで当科受診しそのまま入院。
なんとかオペ室をやりくりして、午後から全身麻酔下に手術。
その日はさすがに彼の医院は休診にしてもらいましたが
翌朝、術後1病日で退院してその日から診療を再開していました。
術後の抗生剤予防投与の点滴は自分の医院で(笑)。
 
もう一件は外科系某科部長のアキレス腱断裂。
 
夜にインドアテニスでやっちゃって救急外来受診。
連絡が来て診察。…あちゃ、アキレス腱切れてる…(-_-;)
手術をすることに決め、その日はギプスを巻いて帰宅。
翌日は...手術だっつーにそのセンセ、ギプスしたまま外来してた。
昼から禁食にしてもらって夕方、彼の仕事が全部終わってから
腰椎麻酔で腱縫合の手術を私が執刀。そのまま一泊入院。
手術の翌日はソッコー退院。すぐ業務に復帰して診療を再開し
その午後からはギプスのまま手術を執刀してました。
その後1ヶ月くらい...松葉杖で院内を軽やかに歩いてました(笑)
 
 
今まで私、いろんな職業の人を手術しましたけど
全身麻酔の手術の翌日から通常業務をする患者、
腰椎麻酔の手術するのに全く仕事に穴をあけない患者、
医者以外では見たこと聞いたことありません。
 
自分が医師だから術後の自己管理ができるってのもあるし、
たまたま2人とも責任感が強くまじめだったからかもしれません…。
 
が、
 
もうひとつの理由は急には代役が立てられないことです。
例えば怪我をする前から組まれていたアキレス部長wの執刀予定手術。
気安く「私が怪我しちゃったから延期ね♪」と患者には言えない。
医師-患者の信頼関係の元に組まれた手術なら
「代わりに別の医者がやるからね♪」ともなかなか言いにくい。
開業医は自分の医院に来る患者がいます。
突然「今日から○日間休診です♪」と簡単にいかないし
勤務医よりも、もっと代役は立てにくい。
 
話が変わっちゃうけど、どうしても仕事を抜けられず
親の死に目に会えなかった医師の話なんかはいくらでもあります。
 
そう言えば私自身、
医師になって以来、仕事を病欠したのは2回だけです。
(学生時代は授業サボりまくってましたがw)
 
1回は研修医のときで、自分が執刀予定の手術があったし
40℃以上の熱があったけど、身体はそれなりに動くので出勤。
当時のボスに「手術はオレがやっておくからお前はすぐ帰れ!」
と真顔で叱られて、点滴してもらって帰宅しました。
もう1回はインフルエンザ。大学病院勤務のときで
人手があったので自分の代役を立てる調整をした上で休めました。
 
 
「医者の不養生」ということわざ。辞書をひくと
「人にはしろと説教しておいて、自分ではそれをやらないこと。」
と書いてあります。でも、医師不足が騒がれる今のご時世、
医師の過重労働が問題視される現代の「医者の不養生」...
ことわざ本来の「自分を棚に上げてどうこう」とかではなく、
たまたまその医師が責任感が強いとか真面目だからだけでもなく、
+αの構造的な問題や職業の特殊性の問題があるようです。
 
前回のブログ記事「神様のような“お医者さん"」のIセンセも
絵に描いたような「不養生医師(笑)」なんですよ。
 
 
 
で、文中のアキレス先生、実は…
もともと当院テニス部のエースだったのです。
今回のテニス大会で活躍したと聞いて執刀医はホッとしました。
 
も...もう切らないでくれよおぉ〜...(-_-;)

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コメント

 みんな仕事に熱心だにゃんご。というか、それが当たり前なんだけど、だんだん厳しくなっているので、無理しちゃだめにょお
 ちなみに、僕は年に2回学会い出かける不良勤務医ですた汗。

投稿: skyteam | 2008年10月17日 (金) 02時42分

 私は1年目の時に1日(インフルエンザ)、2年目の時に半月(臼蓋骨折)かな。いずれも中~大病院勤務の時でした。もちろん一人外科で病欠したことは1回もないですね。

 あ、この商売やってると風邪引きにくいってのはあるかも(微細な感染を繰り返して免疫能が高いんでしょうね)

投稿: 僻地外科医 | 2008年10月17日 (金) 06時55分

>skyteamさん

ほーい、無理しないようにします。
あ、無理してなくても無茶してるかも(爆)

>僻地外科医さん

僻地外科医さんも休まず働いてますね〜。
一人でなんでもやっちゃってる体制だとなおさら休めませんね。
休める体制なら休みたいのに...と思ったこと、ありませんか?

微細な感染を繰り返してるから...そっか!なるほど〜。
風邪を引きにくいのはそれが理由かもしれませんね。
私も医者になってからほとんど風邪引かないんですが
てっきり「○○は風邪を引かない」が理由だと思ってますたcoldsweats01

投稿: つよぽん | 2008年10月17日 (金) 07時39分

医者の不養生といえば、タバコもですよね~(´ヘ`;

やっぱり私の方が長生きするわ。

投稿: 蝸牛 | 2008年10月17日 (金) 09時50分

うちのパパも頚椎ヘルニアで二回もオペして最終的には外科医やめてましたよ。
医者って不養生なもんですよね。
と、健康な私。

投稿: LUPO | 2008年10月17日 (金) 11時38分


>蝸牛さん

うっ...(-_-;)  ........((((ヘ_ _)ヘ
もうすぐやめる予定です。ん?もうすぐ?えっと...coldsweats01

投稿: つよぽん | 2008年10月17日 (金) 13時07分

>LUPO

症状、タイプわかりませんけど外科医に頚椎ヘルニアはツライっすよ〜。
特にクビを曲げるとしびれが出るタイプ(flexion myelopathy)だと
手術中に術野を覗き込むことができなくなってくる。

>と、健康な私。

病気がビビって逃げていきそうですw

投稿: つよぽん | 2008年10月17日 (金) 13時08分

なるほど、最初のテニス大会の話は、最後につながる振りだったのですね。
うーん、文章の構成とか、ブログをやっていく上で参考にさせてもらいます。

って、文脈に関係ありませんでしたね・汗。

研究やってる自分は、いつでも休めるし、楽してるなあ・・・、と思いました^^。

投稿: MusignyBlanc | 2008年10月17日 (金) 15時15分

>MusignyBlancさん
>文脈に関係ありませんでしたね・汗。

どきっ(-_-;)←図星

MusignyBlancさんのブログ、覗きに行ってますよ〜。
きちんと更新してますね〜。
私はワインのことは詳しくないんですが
ワインネタも研究ネタも面白いっす。

投稿: つよぽん@またお江戸へw | 2008年10月18日 (土) 06時58分

(・_・)え????もしかして つよぽんまたお江戸ですか?
医者は手術しても翌日休めないくらい忙しいのでは???
たった今読んだ感動的な責任感の強い医者の話は????

あ~~~つよぽんはもしかして例外???

風邪ひかないのは結構ですが、過酷な仕事と過激な遊びで体壊さないようにしてくださいね~~~、ほどほどに~~~~~~~~~~!♪(*^ ・^)ノ⌒☆

本当はうちももまた 近いうちにお江戸へ行きとうおす・・・・。 (^o^)v-~~~   

投稿: 光奴 | 2008年10月18日 (土) 07時35分

>光奴さん

うちの整形外科は仕事にメリハリつけてます(・∀・)v
ひと月のうち、週末の3回くらいは完全フリーになれますよ。
んで、遊びやライブや講演会などの予定がそこを埋める感じ。

今回は…
骨粗鬆症関連の学術講演会に出席┌( ̄0 ̄)┐
…を口実に、御茶ノ水で楽器屋めぐりしてギター物色&購入ww

投稿: つよぽん@またお江戸へw | 2008年10月18日 (土) 07時46分

もしや,それは外科系某科H部長のことでは…?
アキレス腱切ったことがあるのですか?
それであれだけ動けるとわ…
さすが,紙,いあ,神の手による手術ですね.

自分は体がものすごく硬いのですが,
幸いなことに大きな怪我なくここまで来ました.
プロスポーツ選手とか見てても,類稀な才能を
持っていても怪我に泣かされということは多いですよね.
まずは体が第一とつくづく思います.

因みに,風邪に関しては…
幼少時はひきまくり,研修医時代は全くひかず,
最近になり思い出した様にひくことがあります.
とすると,利口→○○→またちょっと利口に… でしょうか.

インフルエンザもありました.
ちょっとだるいという程度だったのに,検査したら陽性.
強制的に自宅謹慎と相成りました.
家に帰ってから高熱が出て,もの凄く辛かったです.

あ,そういえば,ワクチンの申し込み……orz

投稿: J@一応テニス部員 | 2008年10月18日 (土) 14時32分

やっとブログ ここまで追いつきました~
はあはあ ぜーぜー(笑)

まさしく 風邪で胸がひゅーひゅー言ってて
痰が凄く それを出す為の咳で腹筋が痛いww

さすがに 仕事休みました~
代わりは 居ないけれど 振り替えは出来るから
なんとか なりそうだから・・・・

昨日は歩くのも辛い 息するのも辛い
病院の薬だけでは 微妙・・・
(風邪が即治る薬なんて 無いですもんね つよぽん
作って ノーベル賞取って~ 笑)

ただ 股関節が悪くて人工関節って言われたのが
オーストラリアの専門大学卒業の先生に出会って
カイロプラティックの治療受けてから 杖が不要に
つよぽんとは 分野が違う先生だけれども 手術じゃなくて 良かったって 普通に歩ける事の幸せを噛み締めてますわ~

ただ 身体障害者手帳 受給しておけば 黄色い紙をはら・・・(ry

精神の方の障害者手帳は 持ってるけれども・・・

投稿: たま | 2008年10月18日 (土) 20時51分

全身麻酔の翌日から仕事って\(◎o◎)/!
そんなことして、医学的には大丈夫なものなんでしょうか?
ワンコは避妊手術の翌日から普通に散歩したりしますが、人間も実はその位タフなんですねー
...というのはさておき、休みたくても休めないかもしれないですが、本当に必要なときはちゃんと休んで下さいね!

投稿: ジュリーママ | 2008年10月18日 (土) 20時54分

つよぽんも体調崩されませんよう、ご自愛下さい(。・ω・)ノ゙

投稿: mana | 2008年10月18日 (土) 23時17分

>J@一応テニス部員さん

ピンポン♪アキレス部長=外科系某科H部長ですw
Jさんも怪我しないようにね〜。
怪我すると…もれなく「つよぽんのネ申の手」の餌食ですよΨ(`∀´)Ψ
ワクチンの申し込み、私はしましたよ。
期限過ぎてから思い出してムリヤリ…ごめん、ももこちゃん!

投稿: つよぽん | 2008年10月20日 (月) 01時09分

>たまさん
>やっとブログ ここまで追いつきました~

え、もしかして最初から全部読んだんですか?
すげー、お疲れ様でした。でも面白かったでしょ?でしょ?←押しつけw
風邪の根治薬を発明すればノーベル賞ものだ、って聞いたことあります。
かぜ薬は全部いわゆる対症療法の薬だもんね。
お大事に!


投稿: つよぽん | 2008年10月20日 (月) 01時14分

>ジュリーママさん

全身麻酔の翌日から仕事、無理とは言わんけど…。
フツーだったら主治医として許可しません(笑)

>manaさん
いつも飛び回りすぎなもんで、体調万全とは言わないけど
明日も元気にお仕事しまっす(・∀・)v

投稿: つよぽん | 2008年10月20日 (月) 01時19分

こんにちは。
4年前になりますが、私の相方も自分の働いている病院で外顆骨折のため手術しました。
3日間入院しましたが、手術当日午前中は外来診療をして、午後手術を受けました。
手術の翌日は病室から、仕事に向かいましたっけ(^_^;)
「長生きできないな。」と、いつも言ってます。

投稿: あまり | 2008年10月20日 (月) 12時23分

>あまりさん

あまりさんの相方さんも医師なんですね?
やっぱり手術される側になっても仕事を休まない(笑)
長生きできるようにサポートしてあげてくださいね〜。

投稿: つよぽん | 2008年10月23日 (木) 12時36分

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