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2008年6月 3日 (火)

再生と崩壊の混在する町 〜丹波市・柏原病院のこと〜

兵庫県丹波市にある兵庫県立柏原病院。

丹波市も、柏原病院そのものも、私には縁もゆかりもないんですが、医療議連のシンポジウムのときに、たまたま「県立柏原病院の小児科を守る会」代表の丹生さんとお話したこともきっかけになって、私にとってのウォッチ対象になっています。丹生さんとお会いしたことは4月にブログ記事(4.12医療議連シンポジウム報告)に書きました。

今日は丹波と柏原病院を外野から見ていて感じたことを…。

柏原病院も「守る会」のことも、ご存じの方が多いでしょうか。地域に小児科医がいなくなりそうだったときに、子育て中のお母さんたちの活動によってコンビニ受診が激減し、病院医師と患者側の良い関係が築かれて小児科医は残留することになり…いえ、更に医師が増えることになり、医療再生の試みとして注目されている病院です。

小児科医療が「守る会」の方々の活動のおかげで守られ再生しつつあることは、たくさん報道もされて脚光を浴びています。しかし病院全体に希望の光が差しているわけではなさそうです。柏原病院のホームページに…


平成20年4月からの時間外診療体制の変更について(お知らせ)

日頃より兵庫県立柏原病院の運営に際しまして、多大なご支援を頂いておりますことを感謝いたします。

さて、平成20年4月1日をもって、整形外科は外来診療のみとなります。昨年10月の脳神経外科に引き続く入院診療の休止であり、皆様にはご迷惑をおかけすることを心よりお詫びいたします。また、両診療科の入院機能休止をふまえて、本院における平日および休日の時間外診療体制を下記のとおり変更させていただきます。 -以下略- 


典型的な地域医療崩壊パターン…。

生ぐさいような話だけど整形外科と脳外科って総合病院にとっては稼ぎ頭のドル箱です。県立病院=公立病院なので民間病院と違って収益減で絶体絶命とまでは言いませんが…両科の入院機能休止は病院経営にとって大ピンチなのではないかと思います。

病院存続の危機、医業収益の面にとどまりません。入院施設として整形外科と脳外科が機能しないということは、外科系救急医療(要するに怪我した人の治療)が事実上不可能であることを意味します。そして外科系救急が不可能ということは、総合病院としての体裁を保てないということを意味します。

丹波地域のことを知らない私はもうちょっとググったりして調べてみました。人口7万人の丹波市に一般病床を100床以上持つ中核病院は柏原病院柏原赤十字病院のふたつだけです。ホームページを見たら赤十字には脳外科はなく、整形外科は07年1月に常勤医が辞めてから休診(その後、大学からの助勤で外来のみ再開)。この4月から、丹波市の(入院が必要な)外傷患者はほとんど市内で治療を受けられない状態になっているのでは?

脳外科や整形外科の休診・撤退。小児医療の充実を横目に進行する救急医療の危機は、コンビニ受診の抑制や、現場医師と患者の連携だけでは乗り越えられない。別の側面からも戦略を考えなきゃならない。“丹波医療再生ネットワーク”という住民全体を巻き込む試みもありますが…

子供を持つ母親たちの強さと優しさで、小児医療に追い風が吹いた。
救急医療に、再生を呼ぶ風を起こせるのは誰だろう…? 

注目を浴びている丹波市ですが光と影のギャップを感じました。
医療再生への希望の光と医療崩壊の黒い影、両方が見えています。
希望と不安が混在する町、そして病院。見守りたいと思います。


今日はマジメな医師ブロガーっぽいこと書いてみましたcoldsweats01
ネットの情報とか自分の情報源だけで書いちゃったので…
間違いとかあったらツッコミよろしくおながいしますm(_ _)m


県立柏原病院の小児科を守る会
県立柏原病院の小児科を守る会のブログ
兵庫県立柏原病院
丹波医療再生ネットワーク
柏原病院 7月から整形外科休診の見通し
柏原日赤 小児・眼科医引きあげ -伊関友伸のブログ-

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コメント

一番ゲtscissors

投稿: まりん | 2008年6月 3日 (火) 23時11分

2番ゲtscissors

投稿: つよぽん | 2008年6月 3日 (火) 23時15分

3番・・・かな?

丹波市の柏原病院の状況は私の近くでも起きています。
総合病院なのに・・・と思う病院が増えています。

再生への追い風・・・吹くのでしょうか。
私たちは何ができるのでしょう・・。

投稿: かんちゃん | 2008年6月 4日 (水) 00時01分

う~~~んthink。。。・・・と真面目に考えて、
アチコチ見て今度は真面目にカキカキpencilしようかと思ったら
『2番ゲt』って。。coldsweats01
またまたやられたぁ~~~~crying(ぉ・・ぉ・・面白いweep
真面目なカキカキ忘れちゃったじゃないですかー。


えっと、えっと。。。
1日平均24人の入院患者と30人の外来患者を3人で診る・・・
私には、どの位が限界でどの位大変なのか・・よくわからない。

でも、毎日8人の新患が入院している状況、過酷な労働だったと想像します。

何をどうしたらいいのか?私には何が出来るのか?
ん~~~~~~

投稿: まりん@返信待ってますが? | 2008年6月 4日 (水) 00時04分

人と人の出会いは微妙なもので、同じことを発信しても、
相手にレセプターがなければ、受け止めてもらえない…。
小児科を守る会の成功は、お母さん達の思いと医師の思いが共鳴し、
実をむすんだ希有なケースかもしれませんね。

同じことをやったからといって、同じ結果になるとは限らない。
人の縁は不思議です…。

投稿: 蝸牛 | 2008年6月 4日 (水) 00時24分

私の住む地域の病院でも性系の・・・いや、整形の科が
なくなったらしいですが、町医者というか、小さな医院の
先生が、

『みんな、辞めるには病院の体制に問題があるからなんや。
 医師としては働きたいと思ってみんな辞めていくんやからな~』

とおっしゃっていました。↑この病院に関しては、病院の体制に
問題があったようです。。。

ドル箱がなくなっても病院としては変える気がなかったのか・・・
それとも、医師の気持ちっていうのを知らずに今に至っている
のか。。。医療崩壊は地域住民にとってデメリットあっても
メリットはないんだけど。。。

一体辞めていったDr.はどこへ・・・あるDr.は開業して、
でも開業するには・・・っていう方々は医療崩壊してない地域へ
いってしまうんだろうか。。。もったいない事をしている事に
なりますよね。。。地域住民にとっては。

投稿: アッキィ | 2008年6月 4日 (水) 16時15分

医師数そのものが減っているわけではないんですよ。
第一線の現場から離れていって
「最も医師が必要とされている場」からいなくなっています。
頼られること、期待されること、過度になれば重いんです。
医師も人間ですからね〜。

再生への追い風、
今の私はその風の一部分になりたいと思っています。
でも、自分のキャパ超えることはできませんし
一歩間違えれば逆風を吹かせるかもしれませんw

投稿: つよぽん | 2008年6月21日 (土) 17時05分

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