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2008年4月14日 (月)

4.12医療議連シンポジウム報告

お江戸から帰ってまいりました(・∀・)v

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟(医療議連)のシンポジウムに行ってきました。

濃い1日でした。シンポジウムの前には12時から医師とジャーナリストで集まる勉強会で5時間みっちり。で、シンポジウム。その後は懇親会、それがお開きになり日が変わって0時を過ぎてもエンドレスに4次会へと突入し…。報告、レポートを書こうと思うんだけど書ききれないっす。経時的にとか、論理的にとか、整理しようとするとまとまらないので、とりあえず思いつくこと書いてみます。

シンポジウムのそのものの流れはロハスメディカルの川口恭さんがキッチリまとめてくれたので、そちらのブログ“議連発足記念・真の公聴会”をご覧下さい。


さて、厚生労働大臣、舛添要一氏はシンポジウムには来ませんでした。「公務のためやむを得ず欠席」…とのことで開催にあたってのメッセージだけが読み上げられました。このシンポジウムより大事な公務ってなんだろう…。立場上とかいろいろあるのかもしれない、と深読みしてみたりして。大臣になる前からの舛添要一氏を見ていて、永田町の論理で行動する人ではない、と思っている(た)んだけどなぁ。まぁ、このシンポジウムはスタート地点でしょうから今後に期待することにします。

シンポジウムは今まで我々医療者、医療に関わる政治家、医療崩壊を危惧する人たちが語り尽くしてきたことのダイジェスト版のような感じでしたが 、2時間の中で語り尽くすことができないのは最初からわかってます。再生へのスタートと思えば合格点のシンポジウムと思いました。

シンポジウムに先立って意見を募集していたのは前の日記で書いたとおりです。私も送りましたが、事務局宛に届いた意見は136通だったそうです。ん、ちょっと少なめ?もっとショックだったのは、医療者ではない一般市民からの意見は136通のうち6通だけだった、ということです。これじゃいけない。

壇上にずらりと並ぶシンポジストの面々。制限のある発言時間に渾身の力を込めた彼らの言葉は、どれひとつ取っても腹に響くものでしたが、最も響いた声、最も光って見えた姿はふたつ。

桑江千鶴子・都立府中病院産婦人科部長
産科医療の現状、自らも置かれたまさに渦中からの発言。与えられた時間を大幅に超過してそれでも止まらない切々とした訴えでした。きっと時間オーバーを責める気持ちなど誰一人として持たなかっただろうと思う。それくらい心を揺さぶるメッセージでした。

丹生裕子県立柏原病院小児科を守る会代表
地域の小児科医療を失いたくない。だから地域の小児科医を守りたい。1:コンビニ受診をやめよう、2:かかりつけ医を持とう、3:お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう。シンポジスト唯一の純粋な患者側からの凛々しく優しい姿でした。彼女が壇上にいたかどうかで、このシンポジウムの空気は大きく違ったと思う。丹生さんについては更に後述。

イベント後の懇親会に、私も参加させてもらいました。懇親会の会場には橋本岳氏、鈴木寬氏の二人の議員が来ました。が、議員と合同の懇親会と聞いて参加した私は、シンポジウムの壇上や会場最前列の関係者席にいた各党議員がもっとたくさん来て、少しは膝を突きあわせて話せると期待していたので、ちょっと肩すかしを食らった気分でした。

議員さんとはあんまりしゃべらなかったけど、ラッキーなことに丹波の丹生さんが隣の席にいらしたので、名刺交換してたくさんお話ししてきました。私たち現場の医療者が自分の身の丈で医療を考えるとき、いちばん大切にすべきなのは丹生さんのような人たちだな、と心から思いました。

医療者側が切々と訴えても誤解されやすい、伝わりにくい。もともと医療に理解のある人たちになら我々の声は響いて当たり前なんです。6/136に象徴されるように、ごく平均的な国民はまだまだ医療の抱える問題に関心を持っていないのです、残念ながら。医療の危機に無関心な人たちと我々をつないでくれるのは、丹生さんのような人たちです。医療者と患者の縁結びをしてくれる大事な人だと思いました。

いえ、政治家や行政にアプローチしていくこと、彼らに訴えかけていくことが大事じゃないと言うつもりはない。政治を動かす人たちを動かす、政治を動かす人たちに訴えかけていく、それが近道なんでしょう、きっと。

でも私は現場の人間です。我々が地に足を付けて医療再生に取り組む限り、方向性を見失わないようにするためにも、最初に守るべきなのも、最後まで守るべきなのも、丹生さんたちのような人たちであり、再生のカギを握るのは医者でも政治家でもジャーナリストでもなく、彼女たちなんだ、と実感しました。

当たり前だけどこれは始まりでしかない。
あとから振り返って
「あの4月12日が記念日だったね。」
と言える日が来ると信じたい。
そしてその日が来たときに
「自分もそのために頑張ったうちの1人だ。」
私はそう言える自分でいられるだろうか…。


あー、またきれい事を書いちゃった気がするけど、まいっか。
次回以降は毒つよぽんorエロつよぽんorヤブつよぽんに戻りますww

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コメント

川口さんのも読ませていただきました。
だいたい予想したとおりです。
丹生裕子さんが呼ばれていたのは、予想外ですが、良かったと思います。
意見書が136というのは意外でした。
それなら私も出せば良かったなぁ。
次回は必ず。

投稿: ♪う♪ | 2008年4月15日 (火) 00時02分

お忙しい中のご報告をありがとうございます。

あの場にいた数少ない非医療者の一人として、私も
「縁結び」ができるひとりになりたいと願ってやみません。

投稿: 蝸牛 | 2008年4月15日 (火) 00時06分

 遠路はるばるおつかれさまですた♪というか、きちんとまとめておみえで、つよぽん先生、すごーい。また遊んでくださいにゃん☆

投稿: skyteam | 2008年4月15日 (火) 08時51分

>♪う♪さん
なんだ、♪う♪さん出してないの〜?w
ありゃ書くべきでしたよ。
でも、何千通もあったら議員たちも全部は読めないだろうけど
136通なら、出した人の文章は議員がちゃんと読む確立が
高いかなーと思います。
私が出した文章も絶対読んでもらいたいし
読めば響くはず。

>蝸牛さん
ぜひ縁結びの神になってください。
医療者と患者の仲人役ね。

>skyteamセンセ
いや、あんまりきちんとはまとまってない気が…(-_-;)
でもシンポジウムに出て、議員との懇親会に出て
んで、この文章を書きながらアタマを整理していて
自分が誰と向き合うべきか、見えてきたと思う。

投稿: つよぽん | 2008年4月15日 (火) 11時15分

私もつよポンセンセのブログ・その他を読むうちに考え方が
変わってきた一人です。
小さいながらも一つの力としてなっていけるように行動して
いこうと思います。

投稿: アッキィ | 2008年4月15日 (火) 14時00分

>アッキィさん
私のブログを読んで考えてくれたなんて…本当に嬉しいです。
私自身も文章にまとめることで自分の考えを整理しやすくなった気がします。
やれることを、やっていきましょう!!

投稿: つよぽん | 2008年4月16日 (水) 12時52分

こういった内容が沢山の人の目に付くと良いですね。

医療に関係しているからこその意見を聞ける場が
あるというのは大切な事だと思います。
たまたま私はつよポンセンセのブログがきっかけに
なりましたが♪
また、患者になりうる私達の日頃感じている事柄も
"批判"という形ではなくて、今回のような機会が
ある時にはきちんとした"言葉"として発信していかなくては
いけないと感じました。

投稿: アッキィ | 2008年4月16日 (水) 19時48分

シンポジウム参加、お疲れ様でした。
「真の公聴会」何度も何度も読み返しました。
深い感銘を受けると共に
病気と闘っているはずなのに・・誰と闘っているのか
わからなくなって来ている自分自身。
日々の激務に疲弊し、諦めかけていた自分があり・・
このままじゃあイカンと改めて感じました。
いろいろな意味で勇気を頂きました。

ありがとう、つよぽん先生。

ご報告感謝します。

投稿: シェルパ熊 | 2008年4月18日 (金) 18時59分

過去のコメントにさかのぼってレスしてます。
反応遅くてスンマセン

>アッキィさん、シェルパ熊さん

私のブログがきっかけ、とか言ってもらえるのは
最高にシアワセです〜(T_T)
マジレスですが、自分の元気を人にも分けたい、伝えたい、
それがこのブログを作ったひとつの目的でもあるんです。
ときに自分の弱音を分けたり伝えたりすることも
あるかもしれませんがご容赦をm(_ _)m

投稿: つよぽん@GWも働くぜぃ! | 2008年5月 3日 (土) 12時27分

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続きです。 2回目のショック。 1回目、アップしようとしてデータが消えた。2回目、間違って書いていたほうのウィンドウを閉じたw (因みに3回目も失敗しましたが、コピペできましたw) もう本当に泣くぞw 三度目の正直で書きます。流石に疲れましたw え〜と、続きで、これで医師一人当たりの守備範囲を求めてみます 所在地     面積       域内人口    仮の医師数   守備範囲 石狩     3,539.86km    231万0001人    4950名  ... [続きを読む]

受信: 2008年4月24日 (木) 23時35分

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